自分のことを誰も分かってくれない…
自分はこの世界の中で独りぼっちのような気がする…
こんな気持ちを多くの人が一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
私たちの身の回りには常に多くの人がいて、スマホを見ればSNSで多くの人と繋がっています。タイムラインでは多くの発言がなされ、楽しそうな画像が次々と飛び込んできて、溢れる「いいね」の送り合いの中で仮想世界と現実世界が激しく交差します。それはまるで、誰もが孤独と関係なく充実した人生を送っているかのようです。
さて、本当にそうでしょうか。
「世界で一番恐ろしい病気は、孤独です」
「世界で一番恐ろしい病気は、孤独です」とは20世紀の聖人、マザーテレサの言葉です。
この言葉が強い説得力を持つのは、自身があらゆる貧困や飢え、病気を抱えた人々と接してきたにもかかわらず、この結論なのかいうことを誰もが感じるからだと思います。そしてマザーテレサは、先進国にも孤独という病気が広がっていることを生前に指摘していました。
日本における孤独
子どもの孤独感は世界一
先進国であるここ日本において、孤独の波は果たして広がっているのでしょうか。
2007年にユニセフが発表したOECD諸国における子供の幸福度調査において、「自分は孤独だ」と感じる15歳の子供の割合は、24か国中トップの29.8%。2位のアイスランドが10.3%、3位のポーランドが8.4%だったことを考えると、なんと日本の子供、ダントツで孤独なようです。
大人も孤独だった
しかし、孤独なのは子供だけではありません。2005年、OECDの社会的孤立に関する調査には驚きの結果が示されています。
スポーツや教会、地域の文化活動など仕事以外の日常生活において、友人や職場の同僚などの知り合いに会っているかという質問に対して、日本は全てに対して「めったにない」あるいは「全くない」と答えたのが15.3%と世界でトップ。14.1%のメキシコを除けば、他およそ20か国は全て10%以下という状態で、ここでも際立って高い数値を記録しています。
そして最後に、上の二つの統計と違い最近の統計として興味深いのは、イギリスのレガタム研究所が発表した国の繁栄に関する2017年の統計です。この統計では、149の国や地域の繁栄を9つの項目ごとに数値化し、繁栄指数としています。日本の繁栄指数の結果は以下の通りです。
ソーシャルキャピタル以外は比較的高い水準を保っていますが、国際的な順位で表すと、経済23位、ビジネス環境22位、国の統治・運営18位、教育18位、健康4位、安全性4位、個人の自由46位、自然環境43位、ソーシャルキャピタル101位です。
聞きなれない方もいるかもしれませんが、「ソーシャルキャピタル」とは、社会や地域における人々の信頼関係や結びつきを表す概念です。この統計でも、どうやら日本人は孤独な傾向があると言えそうです。
参照:“THE LEGATUM PROSPERITY INDEX 2017” , LEGATUM INSTITUTE , 2017 , http://www.prosperity.com/globe/japan
以下の後編に続きます。

(広報担当T)