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成功者も“WHY”を見失う?
「ご自分が成功したと思っていますか?」
人々をインスパイアする方法を研究し、TEDでも話題になったコンサルタント、サイモン・シネック氏は、優れた起業家だけが招待される「タイタンの集い」と呼ばれる会合での出来事に関して、驚きをもって語っています。
初日、「業績予想を達成した人はいますか?」という質問が投げかけられると、参加者のうち八割の手が上がりました。
そのまま続いて「ご自分が成功したと思っている人は?」と質問が及ぶと、手を挙げている人の八割が手を下ろしたそうです。
もちろん彼らの中には億万長者や、引退しても悠々自適な生活を送れる人はたくさんいましたが、実際のところ、「起業してから自分は何かを失ってしまった気がする」と報告した人も多くいました。
競争心や成功願望が強く、何かを証明しようとして集まるような典型的な起業家とは異なり、互いを深く信頼しようとする熱意があふれていた彼らは、自分の弱さをさらけ出し、集会が終わる頃にはほとんどの人が目に涙を浮かべていました。
まだ貧しく、何かを始めようと必死だった当時の気持ちを蘇らせたいと切望しているかのように。
「もう”WHY”がわからなくなっている」
その出来事をふり返りながら、シネック氏はこうまとめます。
「成功した企業のオーナーたちは、自分がしているWHAT(商品や業績など)をよく自覚している。それを行うHOW(仕事のやり方)もよくわかっている。だが、彼らの大半には、もう“WHY”がわからなくなっている」
もちろん彼らは“WHY”なく事業を立ち上げたわけではありません。
この起業家たちのほとんどは、当初には明確だった“WHY”という大切な目的が見えなくなってしまったのです。それこそが、シネック氏が聞いた最初の質問の真の意味になります。
つまり、「業績予想を達成した人(人や社会から成功していると見られている人)」は多かったのですが、
「自分が成功したと思っている人(明確な“WHY”を持ち、そこに向かい続けているがゆえに自分の人生が充実していると感じている人)」は少なかったということになります。
“WHY”を持ち続ける難しさ
これは決して他人事ではありません。
やりたいことがあって、将来のために大学に入ったはずが、いつの間にか単位をとることが目的になっている。
仕事を通して社会に貢献しようと思っていたのに、気付いたら業績を上げ認められることだけに必死になっている。
どこでも毎日のように起こっています。
そして今日もどこかで誰かが“WHY”を失っています。
我々は目に見えるWHATやそれを具体的に形にするHOWにあまりにも気を取られやすいのです。
通常、自分の一番重要な核である“WHY”は周りの誰にも見られないし、気にされないからです。周りが見るのは自分のWHATとHOWです。
そういう意味では、ザッカーバーグ氏がやってきたことは、あらゆる環境の変化にも関わらず、学生の頃から変わらない“WHY”を持ち続けている、ただそれだけのことなのかもしれません。
私は”WHY”を持っているか?
私は風が吹いても吹き飛ばされないような明確な“WHY”を持っているのか?
持っていないとしたらこの先の人生はどうなるか?
持っていたけど見失いかけていないか?
たまには、じっくり立ち止まって考えてみるのもいいのではないでしょうか。
(広報担当T)