五月病
ゴールデンウィークが終わり、2週間経ちました。
生活のリズムを戻し、お休みモードから仕事モードへ、気持ちの切り替えはできましたか?
5月のゴールデンウィーク明けに抑うつや無気力などの症状が出ることを「五月病」と呼びますが、ストレスもその一因だと言われています。
特に、新入生や新社会人は環境が大きく変化するため、過度なストレスがかかりやすいものです。
4月に溜まったストレスや疲れの反動で連休中に生活のリズムが乱れ、学校や職場に行くことが億劫になってしまい、五月病が発症するというところでしょうか。
「評価が大事」のウソ
新しい環境で最初に築く人間関係は、その後の学生生活や社会人生活に大きく影響しますので、人との付き合い方にはかなり神経を使うことでしょう。また、仕事では業績や上司からの評価というものも大切になってきますし、大学では単位取得や就職にかかわってくるため、良い成績を取ることも必要になってきます。
私たちは受験や就職試験などを通して常に評価される環境で育ってきました。進学校の先生は、生徒の顔を見ると、何よりも先に生徒の偏差値が頭の中に浮かんでくるという話を聞いたこともあります。
そんな世の中ですから、評価を気にするということはある意味当たり前の事かもしれません。しかし、「○○でなくてはならない」、「○○であってはいけない」という観念にばかり囚われていると、ストレスは溜まっていく一方です。
本当のストレス対策は、愛情
点数より前に
相田みつをさんの詩に次のようなものがあります
「点数」
にんげんはねぇ
人から点数を
つけられるために
この世に生まれて
きたのではないんだよ
にんげんがさき
点数は後
周りから付けられる点数に執拗に囚われないということは大事ですね。
ではいかにすれば、周りからの点数を気にせず、ストレスや無気力から脱することができるでしょうか?
愛情が先
ストレスコントロールの手法や自己啓発の方法などは世にたくさん出回っていますが、まずは「自分は愛されている、信じられている、護られている」と感じることが重要です。
ストレス解消のために大自然の中に行くと「自分の悩みなんてちっぽけだな」と感じて、悩みから立ち直ったという経験をしたことがある方もいますよね?これは、人間の力を遥かに越えた大きな自然に包まれて生かされている、護られているということを本能的に感じ取っているからなのではないでしょうか。
また、誰かから励まされたり、大切にされたりすることでも力が湧いてきます。落ち込んでいるときに友人や先輩から励まされて立ち直るということもありますし、一番の心の支えとなるのは何といっても家族だと思います。
マズローの欲求段階説
心の支えが「愛情」であるということは、心理学の世界でも言われていることです。
上の図は「マズローの欲求段階説」をピラミッド型にしたものです。下の欲求が満たされないと、上の段階の欲求は生じにくい、という考え方です。もし順番を無視して上の段階を実現しようとしても、問題が発生して上手くいきません。
下から順番に見てみましょう。
生理的欲求|呼吸、飲食、睡眠など
息苦しい、食べ物がない、不眠不休。こんな状態ではその日を生きることで精一杯です。周りのことや夢の実現を考える余裕はないですよね。
安心安全欲求|健康維持や安全な生活環境など
いつも同じ道を通る。このお店ならいつもあのメニュー。人が同じ事を繰り返すのも安心安全欲求があるからです。
予想外のこと、想定外のことはリスクがあるので避けたい、これが安心安全欲求です。
社会的欲求/所属と愛|愛されている、必要とされている
点数よりもさきに「ひと」が来ました。
愛されている、必要とされている、と感じたいのが人間です。
承認欲求|自己承認(尊重)
価値ある存在として認められ、尊重されたいという欲求です。
周りの人からの評価も含みますが、それだけでは危険な状態だとマズローは言います。人からの評価に振り回されてしまったり、ビクビクしながら生きることになるからです。
もっと重要なのは自己承認、自己肯定感です。自分で自分を価値があると感じる、大切にできる、という状態です。
愛情関係が土台になっているのは言うまでもありません。
自己実現欲求|夢を実現
ここまでの4つが満たされると、才能や能力を使って夢を実現したいという欲求が湧いてきます。
若者が夢を持っていないことを問題視する風潮がありますが、なぜ夢を持てないのでしょうか。
4つの欲求の内、どこか満たされていないから、という本質が見えてきますね。
お母さん、生んでくれて、ありがとう
以前、先輩から勧められて、「青天の霹靂」という劇団ひとりさんの映画を見たことがあります。この映画は、生きる目的を見失った売れないマジシャンが、自分の誕生秘話を知り、母親の大きな愛情を知って立派に成長していくという物語でした。
5/14は母の日でしたので、私も母に向けての手紙を書きましたが、改めて今の自分があるのは母のおかげだという感謝の思いが湧いてきました。
家族への感謝を数え上げていくと、愛され、大切にされ、信じられている自分であるということに気づかされます。そんな感謝の思いを力に変えて強く生きていきたいものです。
(総務担当H)