World CARP JAPAN(カープ)公式Blog

カープの最新情報やコラムをアップします!

学ぶと学ばざるとによる差―福澤諭吉【大学を創った人々】

学ぶと学ばざるとによる差―福澤諭吉【大学を創った人々】

HOME > 大学について > 大学を創った人々 > 第五回 福澤諭吉

第五回 福澤諭吉(1835-1901)

天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず

福澤 諭吉
(Yukichi Fukuzawa)

明六社の発足メンバー

イギリスに続きドイツとフランス、そしてアメリカが産業革命を成し遂げたのは19世紀中頃のこと。それまで世界の覇権を握っていたイギリスの牙城は崩され、欧米列強による植民地争奪競争が展開されていきました。

1873年、アメリカから帰国した駐米弁理公使の森有礼はその年の9月、明治維新後の啓蒙思想を主導した「明六社」(※1)を立ち上げます。発足当時のメンバーは全員で10名。その中に、慶應義塾を築き上げた福澤諭吉もいました。明六社では特定分野を対象とせず、政治からジェンダー、言語にいたるまで多様な学問論争が展開され、近代日本の学知の原点となったのでした。
※1 明治六年結成に由来

「実学」で自ら考える国民を

森と福澤は、国家の独立を維持するためには国民一人ひとりが強くならなければならないと考え、その中心に教育を据えたところまでは同じでした。しかし、双方の教育に対する方法論は相容れないものだったのです。

つまり、「天皇のまなざし」のもとで統治機構を築こうとした森は帝国大学を誕生させ、一方、福澤は「実学」を国民一人ひとりに身につけさせることから始めようとし、政府から独立した個人、自ら考え、自ら判断できる国民を育てようとしたのでした。

学ぶと学ばざるとによる差

福澤は、当時の日本国民から「古習の惑溺」(※2)の精神を解放し、分析的な思考法や合理的な認識を獲得させようと挑戦。『学問のすゝめ』を書き上げました。
※2 こしゅうのわくでき。古い習わしに夢中になり、おぼれること。

「天は人の上に人を造らず人の下に人を造らず」

同著の有名な書き出しは、人間は生まれながらに自由で平等であると説いています。しかし現実社会に目を向けると、貴賎の差、貧富の差があります。福澤はその差が、「学ぶと学ばざるとによりてできるものなり」と結論付けました。

また『文明論之概略』では、道徳、倫理、宗教などの側面で西洋と日本の文明を比較したところ、「ただこの一歩の前後があるだけ」と述べ、「今わが国が至急に求めるべきものは智恵以外に何があるか」としています。

日本に流れる私塾の歴史

もともと日本は、自生的に発足した寺子屋で読み書きそろばんを教えるというように、初等教育のすべてを私塾で行っていました。幕末と明治維新を乗り越え、国学と漢学の代わりに産業化に伴う実学を教授する先駆けとなったのが、福澤が築き上げた慶應義塾だったのです。

やがて大正時代になると主要な私学は大学へと昇格し、帝国大学(官)と私学(民)の壁が徐々に低くなるのでした。

(広報担当S)


第四回 森有礼

日本での大学の始まり―森有礼【大学を創った人々】

第六回 南原繁


HOME > 大学について > 大学を創った人々 > 第五回 福澤諭吉

プロフィール

公式Blog

公式Blog

W-CARP JAPAN 広報担当です
Newsやコラムをあげます
よろしくおねがいします