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学問による人格形成―フンボルト【大学を創った人々】

学問による人格形成―フンボルト【大学を創った人々】

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第三回 フンボルト(1767-1835)

ほんとうに真面目に努力することは、なかば到達したことと同じです。

カール・ヴィルヘルム・フォン・フンボルト
Karl Wilhelm von Humboldt

 

近代大学の祖、フンボルト理念

大学史の標準の教科書では、近代大学の出発を1810年に創設されたベルリン大学(ドイツ)とし、フンボルトがその理念を作ったとされています。このフンボルト理念が世界中に伝播し、各国の近代大学に影響を与えたというのが通説です。

▲フンボルト大学(現・ベルリン大学)

日本では明治維新後の1875年から37年ものあいだ、文部省から留学生を海外に派遣。留学生683人のうち約8割がドイツに留学しました。帰国した留学生は、ドイツの高等教育を日本に輸入したのでした。

大学は教育の場か、研究の場か。

フンボルト理念は、権力者による支配が強まることで堕落・腐敗していった大学と、啓蒙主義者らが職業教育のために専門大学として大学を改造しようとした動きに対する批判が契機となり提唱されました。

同理念の最大の特徴は、それまで教育中心だった大学に、ゼミナールや実験室などの研究志向の仕組みを導入したこと。フンボルトの大学論を如実に表した『ベルリン高等学問施設の内的ならびに外的組織の理念』には、

「学校というものは既存既成の知識を教え学ぶところであるのに反して、高等教育施設は、学問をつねにいまだ完全に解決されていない『問題』として、したがってたえず研究されつつあるものとして扱うところにその特色を持つのである。…(中略)…。ここ(高等教育施設)では教師は学生のためにそこに居るのではなく、教師も学生も、学問のためにそこに居るのである」

と記されています。高等教育の焦点を、「すでに知っていることを教えること」ではなく、「いかに知るかを教えること」に転換したのでした。

アメリカへの影響、大学院の発明へ

日本と同様に、アメリカも19世紀中に多くの留学生がドイツで学び、帰国後は同国の大学改革の原動力となりました。ドイツで学んだ「研究を通じての教育」という方式がアメリカで実を結び、世界初の「大学院」の発明を導いたのでした。

大学の「第二の誕生」

カント以降のドイツ観念論の哲学的思考と、ナポレオン戦争からプロイセンの敗北に至るまでの社会的状況が相まって、ドイツから大学の「第二の誕生」が生じたと言われています(第一の死を受け、第二の誕生と称しています)。

フンボルトが最終的に目指したものは「学問による人格形成」、つまり大学が国民の教育と教養の育成の場となることだったのです。

フンボルト理念は神話だった?

前述のように、近代大学の出発がフンボルト理念によって作り上げられたというのが通説でしたが、昨今、これを覆す研究が提起されています。同理念は、ベルリン大学創設100周年を記念して創作された「神話」ではないかと(詳しくは潮木守一氏の『フンボルト理念の終焉?現代大学の新次元』)。

いずれにせよ、日本の大学がドイツの大学から影響を受けたことは間違いありません。

(広報担当S)

 


 

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