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フンボルト大学創設―フィヒテとシュライアマハー【大学を創った人々】

フンボルト大学創設―フィヒテとシュライアマハー【大学を創った人々】


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第二回 フィヒテ(1762-1814)、シュライアマハー(1768-1834)

大学は最も重要な施設であり、人類が有する最も神聖なものである

ヨハン・ゴットリープ・フィヒテ
(Johann Gottlieb Fichte)

知の普遍性・総合性(Universality)こそ、大学(University)にその名を与えた

フリードリヒ・ダニエル・エルンスト・シュライアマハー
(Friedrich Daniel Ernst Schleiermacher)

フィヒテとシュライアマハー

中世的大学を刷新し、大学改革の機運が高まった18世紀後半(詳しくは前回をご覧ください)。近代的大学の始まりとなったフンボルト大学(現・ベルリン大学)の創設をめぐり、カントの影響を受けた二人の先導者が、それぞれ大学論を展開しました。

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▲ フンボルト大学(現・ベルリン大学)

一人はドイツ観念論の哲学者であり、同大学初代学長になったフィヒテ。そしてもう一人は、「近代神学の父」と評され、同大学初代神学部長になったシュライアマハーです。両者の大学論は、哲学部を中心とする大学づくりを提唱したカントの理念を受け継ぎながらも、相容れることなく展開されたのでした。

フィヒテ|上位学部を排除

ベルリンに新設される大学の創設計画に対し、最初に声を挙げたのはフィヒテです。フィヒテは『ベルリンに設立されるべき高等教育施設の演繹的プラン』の中で、真に学問を愛する少数の学徒のための学問研究の殿堂として、大学を位置づけました。なぜなら、フィヒテが「学生と自称する かの名高き人種」と評したように、自由の名の下に決闘・鯨飲・乱暴狼藉・放歌高吟に明け暮れる学生が当時は多かったからです。

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また学長就任演説で「大学は最も重要な施設であり、人類が有する最も神聖なものである」と述べ、「大学の自由」を賛辞しました。フィヒテが構想した新しい大学は哲学的大学を強調したため、伝統的な諸学部(神学・法学・医学)を排除するという非現実的な提案でもありました。

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シュライアマハー|相補的関係と提起

一方、シュライアマハーの大学論は、『ドイツ的な意味での大学についての随想』に記されています。フィヒテの大学論が現実離れした理想論であったのに対し、シュライアマハーは、国家の事情や時代背景に周到に目配りしながらも、大学のあるべき理想の姿について言及したところに違いがあります。

つまり、シュライアマハーは、国家権力と大学・学問の自由とが対立関係にあるという二分法を超え、本来は相補的な関係にあると提起。「知の普遍性・総合性(Universality)こそ、大学(University)にその名を与えた」とし、諸学の有機的な統合をなす中心点に哲学があり、その総合的な普遍知を大学の理念にするよう説いたのでした。

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また、大学の自由を破壊するような学生を大学から一掃しようと考えたフィヒテに対し、シュライアマハーは従来の学生団体を容認しました。

結果はシュライアマハーの意見に

結局、フンボルト大学は、「本質的にはシュライアマハー大学である」「従来のドイツの大学の伝統的形式に倣ってつくられた」と指摘されるように、保守的で現実味のあるシュライアマハーの大学論がフンボルトに多大な影響を与えたのでした。

(広報担当S)

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第一回 カント

「大学の死」から「学問の自由」へ―カント【大学を創った人々】

第三回 Coming soon…(10月頃)


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