現在、大学では「カルト対策」と称した特定の宗教(または宗教系サークル)に対した「宗教迫害」が行われています。このような大学による宗教迫害の現状について考える「『信教の自由』シンポジウム」が3月20日、都内の施設で開催されましたので、報告していきたいと思います。
現在、大学では「カルト対策」と称した特定の宗教(または宗教系サークル)に対した「宗教迫害」が行われています。このような大学による宗教迫害の現状について考える「『信教の自由』シンポジウム」が3月20日、都内の施設で開催されましたので、報告していきたいと思います。
先日、多くの方が注目して下さった「カルト対策」についての論文の受賞作品を発表しました。
学生たちがさまざまな視点から「カルト対策」について向き合い、素晴らしい作品が集まったと思います。
今回、論文受賞者に、受賞の率直な感想などを聞いてみました。
1人目は、「入選」を受賞した深澤孝斗さん(東北大学)です。
最近、さまざまなメディアを通して、「洗脳」や「マインド・コントロール」という言葉をよく聞きます。
きっかけは、皆さんもよくご存じだと思いますが、ある霊能者が人気タレントのオセロ・中島知子さんを「洗脳」し、「マインド・コントロール」しているという報道がなされていることにあります。
この件に関して「洗脳」や「マインド・コントロール」という言葉が使われることに対しては疑問を感じざるを得ません。
そもそも、「洗脳」や「マインド・コントロール」というものは科学的な根拠のある理論ではありません。
「洗脳」というものは、物理的監禁や拷問、薬物、電気ショックを含めた強制的な方法で人の信念体系を変える手法だと言われていますが、その有効性に関しては多くの研究の中で否定されています。研究報告では、「(洗脳は)一時的な行動上の服従しかもたらさない」という結論が出ています。(参照:R・J・リフトン「思想改造の心理」)
一方、「マインド・コントロール」は、「洗脳」とは違い、身体的な拘束や拷問、薬物などを用いなくても、日常的な説得技術の積み重ねにより、しかも本人に自分がコントロールされていることを気付かせることなく、強力な影響力を発揮して個人の信念を変革させてしまう手法であると言われています。しかし、この「マインド・コントロール」理論は、アメリカの心理学会で、「科学的な裏付けを欠いている」として否定されています。また、法廷においても「マインド・コントロール」理論が認められたことはありません。極端に言うと、「マインド・コントロール」理論が成り立つならば、どんな事件でも「マインド・コントロールされていた」の一言で終わってしまう可能性もあるのです。
「マインド・コントロール」の言葉の使用に関して、宗教学者の島田裕巳氏は以下のように述べています。
「洗脳ということば自体、比喩的な表現であり、実際に脳を洗うわけではない。その点で、いったい洗脳がどういったことなのかかなり曖昧な部分を含んでいるが、マインドコントロールとなるとさらに概念としての明確さに欠けている。・・・霊能者ということばに引きずられて、これをカルトやマインドコントロールの問題としてとらえるのは、実態からずれていく危険性がある。おそらくこれは、中島さんのこころの問題であり、あるいは霊能者のこころの問題なのである。」(抜粋)
このように島田氏は、あいまいな理念である「洗脳」および「マインド・コントロール」の使用についての問題点を訴えています。
「洗脳」や「マインド・コントロール」というものは、科学的に根拠のある理論ではありません。学術的に認められたことも、法廷で認められたこともありません。科学的な根拠もなく、真実を見えなくするような言葉を各メディアが発信していることは非常に憂慮する事態であると感じますが、事実として「マインド・コントロール」という言葉が日本社会で再度、氾濫していることを見ると、我々はもう一度この言葉と向き合う時を迎えていると考えます。
W-CARP JAPANにおきましても、昨年「カルト対策についての論文」を募集し、審査結果を発表しました。われわれは、「カルト」は差別的な言葉であり、レッテル張りによるいじめだと思っています。その「カルト」という言葉を支えているのが「マインド・コントロール」理論です。
今再び、メディアにこの言葉が氾濫し始めたならば、もう一度この言葉と向き合い、しっかりと議論すべきと考えます。
2011年6月に募集した「大学における『カルト対策』についての論文」の最終審査が終わり、受賞作品が決定しましたのでご報告致します。
論文の審査に関しては、W−CARP JAPAN本部スタッフや弁護士の方などに審査して頂きました。
厳選な審査の結果、受賞作品は下記の4作品となりました。
論文の詳細や講評につきましては、論文についての特設ページを設けましたので、そちらをご覧ください。
←ブログ上にあるこのバナーをクリックすると、特設ページを見ることができます。
| 最優秀賞 |
該当作なし
| 優秀賞 |
K・Mさん(九州大学)
| 入選 |
深澤孝斗さん(東北大学)
| 佳作 |
N・Mさん
| 佳作 |
〜大学「カルト」対策に伴う人権侵害性とカルトの法的保護範囲を検討する〜」
中本和誉さん(愛媛大学)
受賞された皆さんにお祝いを申し上げるとともに、応募してくれた皆さんに御礼申し上げます。
突然ですが、今回は本を一冊紹介したいと思います。
紹介する本は「大学の宗教迫害」という本です。
「信教の自由」と「人権」という観点から、大学の「カルト対策」のあり方について問うている一冊です。
「大学の宗教迫害」
日新報道
室生忠 編著
本著は、日本社会から隠蔽され続けてきた大学の「カルト対策」の実態を解明し、周知・根絶を願うジャーナリスト・室生忠氏が編集した新刊。月刊誌『財界にっぽん』に計6回にわたって掲載された連載レポートを総合した第1部と、国内外の有識者との鼎談(ていだん)やインタビュー取材をまとめた第2部の2部構成になっています。
「真理探究の府」であるべき大学を舞台に展開するカルト対策。不当と言える人権抑圧、アカデミック・ハラスメントと言っても過言でない特定の学生サークルに対する「宗教迫害」の実態が、CARPメンバーに対する取材で赤裸々に描かれています。
学生支援の業務内容がカルト対策に変化してきたのは、少子化問題が大学経営の不安定要素として認められ始めた頃から。イメージ・ダウンを回避しようとする大学側のリスク管理の動きが、学外活動組織との連携・協働を深めていると考えられています。
カルト対策で用いられる論法は、定義の曖昧な「カルト論」と「マインド・コントロール理論」。両者とも学術的に確立されておらず、否定的なレッテルとして認識されています。このような「擬似科学」を大学が掲げ、アカハラの温床となっている現実。一方、「反カルト」の専門家が多数を占める日本社会で、正確な情報を得られないままカルト対策に従事しなければならない大学関係者の現状も明らかにしています。
カルト対策に傾注する学生支援業務の現状を客観的に見つめる教科書として、本著がたくさんの方々に読まれることを願って止みません。
半年前に募集した「カルト対策に関する論文」ですが、色々な方に取り上げて頂いたり、トゥギャッターでのまとめまで出るなど、多くの反響を頂いたのにも関わらず、ブログ上で何も続報を伝えられず申し訳ありませんでした。
まったく集まらなかったので話題にしたくなかったというわけではありません。念のため。
既に募集は締め切り、多くの論文が送られてきています。なかなかの力作が揃ったのではないかと事務局でも話題になっています。

募集は10月いっぱいで締め切り、これから一次選考が始まります。
審査にはUPFや世界平和教授アカデミーの方々、そしてCARP OBの方々にもご協力いただいています。
応募してくれた学生たちはこれからもさらに研鑽を重ねていってほしいと思います。
発表にはもう少し時間がかかりそうですが、もうしばらくお待ち下さい。
7月16日に千葉大学で行われたオープン講座「カルト勧誘問題と学生支援」に関東圏のCARPメンバーと共に参加してきました。
オープン講座の参加者は50名程で、CARPからは22名が参加しました。
この講座は宮野モモ子教授の授業「現代学生の問題」の最終授業でもありましたが、千葉大学の学生の参加はそれほど多くなく、開始時はほとんどいませんでした。「授業を本来の水曜日から土曜日に移動したため、授業が重なって出られなかった人も多いようだ」と宮野モモ子教授が最後コメントしていました。
また、恵泉女学園大学の川島堅二教授や「やや日刊カルト新聞」記者のエイト氏が参加していました。
講演者は北海道大学教授の桜井義秀氏と大阪大学招聘教員の瓜生崇氏で、それぞれ1時間半の持ち時間で講演・質疑を行いました。質疑応答では桜井教授に千葉大学原研代表とCARPスタッフが、瓜生氏に千葉大学原研代表がそれぞれ質問しました。
以下に講演の要旨をまとめます。
6月25日、京都駅近くのキャンパスプラザ京都で行われた「脱カルト協会公開講座2011」に関西・中四国の学生代表たちと共に参加してきました。
今回の公開講座のサブタイトルは「カルト問題からみた大学の役割」。
大学で実際に学生支援を担当する先生方が来られるということでCARPとしても非常に関心をもって参加しました。
特に岡山大学の松岡洋一教授、大阪大学の太刀掛俊之准教授の講演は実際に大学の学生支援の現場で活躍される方ならではの示唆のある講演でした。
松岡教授は講演の中で、岡山大学のカルト対策の経緯と現在までの取り組みに対して説明しました。松岡教授はCARPの学生との対話も取り上げていたりと、対策する側だけでなく、対策される側のことも真剣に考え、学生を守ろうという大学としての器の大きさを感じました。
また、太刀掛准教授は講演の中で「学生をカルトだからといった目で見てはいけない。同じ学生として支援を行わなければならない」と話し、学生を対等に見つめ、接しようとする姿に教育者としての決意を感じさせられました。
2名の先生からはたくさんの示唆を受ける内容があり、非常に有意義な時間でした。しかし、公開講座全体に対しては容認することができません。
特に、高山正治牧師を講師として招聘したことに関してはCARPとしては苦言を呈したいと思います。
高山牧師は統一教会信者に対する拉致監禁を伴う強制改宗を指導したとして被害者たちから被害の声が多数挙がっている人物です。
このような人物を招聘する日本脱カルト協会自体が「拉致監禁・強制改宗」を是認すると思われてもおかしくありません。
他の講演に関しても改めて報告したいと思います。
今後もこのような場があれば、もっと多くの学生メンバーも参加できるようにしてまいります。
参加した各大学の代表たちの感想はサイト右上のMembers Blogから各大学CARPのブログを御覧ください。