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「人として平等であること」とは?

time 2017/08/26

「人として平等であること」とは?

白人極右集会での事故

8月12日、米南部バージニア州シャーロッツビルで、白人極右集会に抗議する人たちの間に自動車が突入し、1人が死亡19人が負傷した事件がありました。
(米南部の極右集会に抗議、1人死亡 州知事は白人至上主義者に「帰れ」 – BBCニュース , http://www.bbc.com/japanese/40914856)

この日は極右集会に参加する白人国家主義者たちと、抗議する人たちとの間で衝突がありました。そうした中、白人極右集会に抗議する人たちの間に自動車が突入して、1人の女性が亡くなりました。運転していた若者は、「オルト・ライト」という団体に所属しているそうです。
(トランプ政権の命運を左右しかねない白人至上主義事件 – Yahoo!ニュース , https://news.yahoo.co.jp/byline/maeshimakazuhiro/20170817-00074644/)

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様々な意見

「オルト・ライト」の代表であるリチャード・スペンサー氏は、「白人はひどい逆風にさらされているんです。雇用を奪われ、政府機関は移民を増やそうとしている。白人も自分たちの権利を主張すべき時が来たのです。」と主張しています。
(勢いを増す新たな白人至上主義 「オルト・ライト」|国際報道2017[特集]|NHK BS1 , http://www.nhk.or.jp/kokusaihoudou/archive/2017/02/0224.html)

この事件に対して「双方に非がある」というトランプ大統領の発言は物議を醸しています。

一方で、12日の抗議デモを受けて、米ナショナル・フットボール・リーグ(NFL)、シアトル・シーホークス(Seattle Seahawks)のDE(ディフェンシブエンドというポジション)マイケル・ベネット(Michael Bennett)が、人種差別や不寛容社会への抗議を喚起するため、試合前の国歌演奏で起立しないことを表明しました。
(シーホークスのDEベネット、国歌演奏で起立しないと表明(AFPBB News) – LINEアカウントメディア , http://news.line.me/issue/oa-afpbb/e4a4a08c6c5b?utm_source=Facebook&utm_medium=share&utm_campaign=none&share_id=iRB02785902268)

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白人と黒人の人種問題

米国における白人と黒人の闘争は非常に長い歴史を持ち、南北戦争が始まった1861年から数えれば約160年にわたります。1960年代に公民権運動が高まってからは法的整備も行われ、黒人などの少数民族や女性が差別されない社会制度が作られてきました。

こうした厚遇によって黒人は就職できても、白人は就職できない、あるいは昇格できないなどの不平等感が生じ始めました。早瀬博範氏によると、「少数グループの保護が叫ばれれば叫ばれるほど、白人側にやり場のない逆差別的不満が募っていく。このような現状が、白人至上主義を再燃させている大きな要因でもある」ようです。
(『アメリカ多文化主義のゆくえ:白人至上主義』,研究論文集/佐賀大学文化教育学部3(2),pp.51-58,1999-03 , http://jairo.nii.ac.jp/0068/00000330)

こうした不満が、トランプ大統領就任をきっかけに、噴出しているのかもしれません。

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/56/Donald_Trump_official_portrait.jpg

https://upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/5/56/Donald_Trump_official_portrait.jpg

「ニュートン・ナイト/自由の旗を掲げた男」

非常にタイムリーですが、黒人解放のために尽力した白人、その実話をもとにした映画である「ニュートン・ナイト/自由の旗を掲げた男」を見ました。
この映画は、19世紀のアメリカで、リンカーン大統領よりも早く奴隷解放を実現するなど、真の自由を求めて戦った実在の人物、ニュートン・ナイトをマシュー・マコノヒーが演じる歴史ドラマです。
(http://movie.walkerplus.com/mv61866/)

(c)2016 STX FINANCING, LLC.

(c)2016 STX FINANCING, LLC.

非常に見ごたえのある映画でした。一番印象的だったのは、次のような場面でした。

黒人は白人より劣った人種であるという文化がはびここる時代に、主人公のニュートン・ナイトが黒人の人々と触れ合う中で、同じ人間であることを実感していきます。そしてニュートン・ナイトが黒人解放のために尽力するうちに、黒人たちもまた、「神の子であるから、白人も黒人も平等である」と自らの尊厳に気づき、確信していくのです。

建国以来、米国は神の下の平等を謳い、あらゆる民族、人種、宗教との共存を図ってきましたが、それはひとえに、人はすべて等しく「神の子」であるという信仰からくるものではないでしょうか。

ニュートン・ナイトもまた、神への信仰と愛ゆえに、人としての尊厳を守ろうと闘っているように見えました。

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多文化共生を目指して

前述した早瀬氏は、論文を以下の文で締めくくっています。

「多文化主義の方向を歩むアメリカは、単に様々な文化の寄せ集めのまま、それらがある統一方向に向かって互いに有機的に結合していかなくてはならない。それには、それぞれの民族が、互いの種族や文化を自己の文化同様に認め、尊重しつつ、互いに認め合える文化的感覚を持つべきで、相互文化的感性や認識力を養えるような社会と文化教育が必要であろう。しかも、これはアメリカだけに必要なものではない。これからの地球全体に必要な認識であり、アメリカの成功は、他の国の良いモデルとなるであろう」

(『アメリカ多文化主義のゆくえ:白人至上主義』,研究論文集/佐賀大学文化教育学部3(2),pp.51-58,1999-03 , http://jairo.nii.ac.jp/0068/00000330)

先般の抗議デモを受けて、人種差別や不寛容社会への抗議を表明したアメフト選手のベネット氏も、「違う性別、違う人種、違う宗教の人たちと話し合って互いの違いを理解していくことだ。そして一緒のコミュニティーで暮らし、社会を変えようと努力し、自分の周囲を変えていく。おかしいと思うなら、変え続けていくんだ」 と述べています。
(シー ホークスのDEベネット、国歌演奏で起立しないと表明(AFPBB News) – LINEアカウントメディア , http://news.line.me/issue/oa-afpbb/e4a4a08c6c5b?utm_source=Facebook& utm_medium=share&utm_campaign=none&share_id=iRB02785902268)

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神の子であるから平等

こうした相互理解は簡単ではありません。それでも、黒人のために戦った英雄たちを突き動かした、「すべて神の子であるから『平等』である」というキリスト教の信仰がそれを実現させてくれるかもしれません。

ちなみに、多文化共生の課題は日本においても存在しています。数年前には在日韓国人に対するヘイトスピーチが問題となりました。法務省が貼り出した警告ポスターも浸透してきましたが、いまだに、韓国(朝鮮)人に対する嫌悪感は消えていません。

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こうした多文化共生の課題を解決するためには、日本を含めた国際社会全体で、同じ人間であることや、「人として平等である」ことを共有することができる、なんらかの信仰あるいは理念が必要かもしれません。

米国がその先駆けとなるにせよ、日本としても2020年にはオリンピックを控えているわけですから、何らかの貢献をしていきたいものです。

たとえ長い時間がかかったとしても、国連の人権規約がかかげるような、すべての民族、人種、宗教が共生共栄できる世界を実現していきたいですね。

(広報担当N)

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